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Matsuyama Children’s Book Forest「こども本の森 松山」について

~過去を学び、今を考え、未来を切り開くために~

「こども本の森 松山」

こどもたちがいろんな本と出会い、本を楽しみ、本から新しい発見をしてほしい。本を読むことで、たくさんのことを知り、自分が何をしたいのかを考え、未来への夢や希望、想像をふくらませてほしい。そして、『坂の上の雲』の主人公たちのように、迷ったり悩んだりしながら、いろいろなことにチャレンジして、「なりたい自分」を見つけてほしい。

こどもたちが自分だけの物語を紡ぐきっかけになるように。
いつまでも変わらずにある、こどもたちの「お気に入りの場所」になるように。
坂の上の雲ミュージアムの「こども本の森 松山」には、そんな願いが込められています。

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運営コンセプト

①ミュージアムと一緒に
「こども本の森 松山」は、坂の上の雲ミュージアムの中にあります。ミュージアムでは、小説『坂の上の雲』に描かれた日本のあゆみや人と人との交わりなどを、本物の資料を見て感じることができます。さらに、松山城や萬翠荘など、小説ゆかりの場所も近くにあります。作者の司馬遼太郎さんはたくさんの本を読んで、この長い物語を書き上げました。「こども本の森 松山」で日本と世界の歴史や人物に興味を持ったら、ちょっと背伸びして、展示室をのぞいてみてください。
②松山らしさを大切に
松山の歴史や文化にふれてもらい、「松山らしさ」を感じられる場所にします。有名な夏目漱石の『坊っちやん』は安藤忠雄さんが大好きな小説です。正岡子規からはじまり、時代を超えて広がった俳句やことば文化、松山ゆかりの作家や松山を題材にした作品など、ふるさとの魅力がたっぷり詰まった本も手に取ってもらいたいと思います。「こども本の森 松山」をきっかけに、もっともっと松山を好きになってもらえたら嬉しいです。
③未来へつながる体験を
自由な空間と場所を活かして、こどもたちが楽しめる企画を行います。松山市の中心部にある坂の上の雲ミュージアムは、まちづくりの拠点施設でもあります。こどもも、親子も、松山に住んでいない人も、まちを歩きながら遊びに来てください。「こども本の森 松山」がこどもたちのこども、ずっと先の未来まで長く愛される「お気に入りの場所」になるよう、みんなで育てていきたいと思います。

安藤忠雄さんからのメッセージ


撮影:閑野欣次

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建築コンセプト

「こども本の森」の基本コンセプトは「こどもが自由に本と出会い、本を楽しみ、本に学べる場所」というものです。そのイメージを、坂の上の雲ミュージアムの敷地内というユニークな立地特性を生かし、空間として表現することを目標に設計しました。

つくる場所は西側の水と緑の庭の上空。外装は上広がりに傾斜するガラス壁で、ミュージアムのデザインコードを踏襲しつつ、その外形はミュージアムの三角形に対し、楕円型となっています。この形のコントラストが、「坂の上の雲のまちづくり」の新たなランドマークを形成します。

ピロティ形式として建物を宙に浮かせているのは、「ことも本の森」の主階レベルを、ミュージアム2階のライブラリー・ラウンジに合わせているためです。 楕円形のワンルーム閲覧室は、 それ自体、こどもたちがどこでどのように本を読んでもいい、自由な空間ですが、それをミュージアムのパブリックスペースと接続させることで、「自由」はさらに広がります。

地域の文化の中心となるべき施設のまんなかでこどものための「こども本の森」が胎動する。その情景はきっと、坂の上の雲フィールドミュージアム構想の精神を象徴する、新たなまちの力となることでしょう。

安藤忠雄建築研究所

ロゴマーク

クリエイティブ・ディレクターの榎本了壱(えのもと りょういち)さんに制作いただきました。「本」「森」「松山」にミュージアムの三角形を組み合わせたデザインです。

榎本了壱さんからのメッセージ
「本の森」と聞いた途端に、「本」が「森」のように並んでいるイメージが浮かんだ。きっとこれは誰もが思い浮かべるイメージだろう。私のアイディアというよりも、「本の森」という言葉が持っている潜在的な誘発力なのだ。「安易な」というよりも「本質的な」もの。そういうものが最も多くの人に親しまれるのだと思う。

「こども本の森 松山」ができるまで

2007(平成19)年

4月
坂の上の雲ミュージアム開館(安藤忠雄氏設計)。

2022(令和4)年

2月
安藤忠雄氏から松山市に、坂の上の雲ミュージアムへ「こども本の森」増築の提案。

2023(令和5)年

1月
松山市と安藤忠雄建築研究所で「こども本の森」図書室(仮称)の整備に係る協定を締結。
3月
負担付きの寄附の受納について市議会で議決。
7月
施設の活用等について司書・保育士・学芸員らによる検討会を実施(~R7.3 計9回)。

2024(令和6)年

2月
イメージ図、建築コンセプト、運営コンセプトを発表。
4月
増築工事の着工。
7月
ブックディレクターによる市民インタビューを実施。
8月
有識者による運営検討懇話会を開催(~R7.1 計3回)。
8月
「こども本の森」プレイベントを開催(R6.12〜R7.2 イベントで描いた作品を展示)。
10月
施設名称及びロゴマークの発表。安藤忠雄氏からのメッセージを公開。
10〜11月
「未来を担うこどもたちにぜひ読んでほしい本」を募集。
86件の個人・団体から1,322冊の寄贈。
10〜12月
図書購入等のため、ふるさと納税型クラウドファンディングを実施。
173件の個人・団体から5,717,000円の寄附。

2025(令和7)年

3月
建物竣工。「こども本の森 松山」の寄贈を受入。
4〜6月
「こども本の森 松山」カウントダウンイベントを開催(計3回)。
7月
オープニングセレモニーと安藤忠雄氏記念講演会を開催(予定)。
7月
「こども本の森 松山」オープン(予定)。

建物ができるまで

「こども本の森 松山」の建物ができるまで

  1. 工事前の「坂の上の雲ミュージアム」
  2. 2024.4.16撮影
    仮囲いができて重機が入り、地面や水景も様子が変わっていますが、まだ工事をするための「準備工事」なんだそうです。
  3. 2024.5.15撮影
    建物の基礎躯体の配筋工事が進んでいます。鉄筋が整然と並ぶ様子は圧巻です。
  4. 2024.6.6撮影・6.12撮影
    基礎のコンクリート打設が完了しました。大半が土に埋まってしまうので、基礎部分が見えるのは、まさに今だけです。
  5. 2024.6.19撮影・6.21撮影
    基礎部分の埋め戻しが終了し、地上に建物を建てるための足場が組まれています。工事の現場が、どんどん立体的になっていきます。
  6. 2024.7.9撮影
    足場の高さがミュージアムの2階に迫ってきました。足場の準備が整ったら、コンクリートが入る型枠づくり、さらなる配筋作業に進みます。
  7. 2024.7.23撮影
    1枚目はミュージアムの3階第1展示室から、2枚目は2階ライブラリー・ラウンジから見える工事風景。囲いの中は、型枠や鉄筋でどんどん複雑な構造になってきています。
  8. 2024.8.5撮影
    配筋を終えて、生コンクリートを流し込む「打設(だせつ)」が行われました。今後は1階部分の躯体工事から、3階部分の躯体工事に切り替わります。
  9. 2024.9.12撮影・9.17撮影
    秋とはいえ、まだまだ暑い中、ミュージアムの3階にあたる高さで工事が進んでいます。(2枚目の写真は3階第1展示室から撮影した風景です)
  10. 2024.10.15撮影
    「まるでプール!?」な水色が見えるのは、建物の防水加工(下塗り)を行っているから。建物は型枠部分が徐々に外れて、横からコンクリート部分が見えるようになってきました。
  11. 2024.11.3撮影
    建物の見ためが完成イメージ図に近づいています。ぐるりと囲うガラス面を形作る枠が入り、これからミュージアムとの接続がはじまります。
  12. 2024.11.19撮影
    建物にガラスが取り付けられました。お城山や空が映り込んだ、新しいガラス面を見られるのが楽しみです。
  13. 2024.12.27撮影
    青い空の映り込みが美しい「こども本の森 松山」。ミュージアムとの接続部分や内装の工事も順調に進んでいます。
  14. 2025.1.22撮影
    足場も取れて建物外観が見えるようになりました。これから建物の足元にあたる部分や内装が整っていくようです。
  15. 2025.3.21撮影
    増築工事が終わり、3月31日に安藤忠雄建築研究所から松山市へ、完成した建物が引き渡されました。今後は本や家具を入れたり、分類や案内の表示を制作するなど、7月のオープンに向けて準備を整えます。